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アーランB式は次式により与えられます。
この式に対して、漸化式を求めると次のようになります。
この式を元に、表計算ソフトで計算します。 表のレイアウトは以下の通りです。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | a | 呼量1 | 呼量2 | 呼量3 |
2 | s | E | ||
3 | 0 | 1 | 1 | 1 |
4 | 1 | 下記の式を入れる | 式のコピー | 式のコピー |
5 | 2 | 式のコピー | 式のコピー | 式のコピー |
負荷曲線とは呼損率を与えた時の a と s の関係をグ ラフで表したものです。 これを求めるには、呼損率 B を固定した時、 を満す s と a の組を求める必要があります。 つまり各 a を与えた時、 の零点となる s を求める必要があります。
アーランB式では解析的には解けないので、ニュートン法を用いることを考え ます。
ニュートン法は関数 の 0 点を繰り返し計算で求める方法です。 初期値 x0 に対して、関数 の x0 における接線は次により得られます。
この零点を新しいパラメータ x1 とし、順に x2, x3 と値を更新して行く と、どんどん、元の曲線の 0 点に収束して行くと言う方法です。 つまり漸化式で書くと次のようになります。
これの階差が求めたい解の精度に達したら計算を終了します。
つまり、ニュートン法を使うと関数の値と微分係数が求まれば零点が求まりま す。 但し、各 xi は整数ではなく実数の範囲となるので、 実数の範囲で関数の値などを求めなければなりません。
単なる階乗の定義域を実数に拡張するにはガンマ関数を使います。 これは , を満たす実数上の関数です。
これは、次の式で求まります。
これは以下の関係が成り立つからです。
このガンマ関数は n が自然数ならば が成り立ちます。
なお、このガンマ関数の積分を途中で区切り、途中の x までの値 と、 x 以降の値に分割したものをそれぞれ第一不完全ガン マ関数 、 第二不完全ガンマ関数 と呼びます。 式にすると次のようになります。
特に第二不完全ガンマ関数は(*)より以下が導けます。
得られた漸化式を解くと以下が得られます。
これとアーランB式を比較すると次の式が得られます。
微係数を求めずに、表計算ソフトに付属の gammaln, gammadist などの関数で 工夫して求められないか検討中。
Wikipedia などガンマ関数関連のページ